睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群睡眠時無呼吸症候群は、近年ニュースなどで取り上げられることが多くなってきた病気です。過去には睡眠時無呼吸症候群が原因による大事故が発生しており、現在、運転免許更新時には睡眠時無呼吸症候群の有無の確認がなされるようになっています。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まって、十分な呼吸ができなくなる病気で、睡眠1時間あたりの無呼吸や低呼吸の回数が5回以上起こる状態と定義されています。
眠っている間に呼吸が止まる症状については自覚できないことも多く、ご家族やご友人の指摘ではじめて気付くケースもよくあります。寝ている間に呼吸が充分にできていないと、目覚めることはなくても脳が一部覚醒した状態になって、脳と身体の休息が不足して睡眠の質が悪くなります。そのため、時間的には十分な睡眠時間をとっていても寝不足の状態になります。
こうしたことから昼間に頭痛がする、日中に抵抗できないほど強い睡魔に突然襲われて深く眠ってしまう、仕事をしていても集中できないなどの症状を現します。また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関連性も強く、さまざまな健康リスクが高い状態になることがわかっています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因空気を肺に取り込む気道が閉塞して、睡眠中に呼吸ができなくなります。睡眠時無呼吸症候群の方全体の60%以上に肥満が認められており、睡眠時無呼吸症候群では肥満による気道閉塞が大きく関係します。ただし、痩せている方でも下顎が小さい、扁桃腺が大きい場合には睡眠時無呼吸症候群になりやすく、高齢者も筋力が弱くなるので睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高いとされています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状

いびき

いびきは、空気の通り道である気道が狭くなって気道壁が震えることで起こります。このことから、いびきは睡眠時無呼吸症候群の重要なサインだと言えます。特に無呼吸の状態から呼吸が再開される時に大きいいびきが起こりやすくなっています。周囲の人にいびきを指摘されていたら、受診をおすすめします。

寝起きの熟睡感がない・日中の眠気がある

睡眠中に無呼吸が何度も起こるため、脳が何度も覚醒して十分な休息が取れなくなっています。無呼吸の起こる頻度により、十分な睡眠時間をとっても熟睡感がなくスッキリしません。日中に抵抗できないほど強い眠気に襲われて瞬間的に深く眠り込んでしまうこともあります。

作業能率や集中力の低下

睡眠時無呼吸症候群があると、睡眠時間がどれほど長くても質の高い十分な睡眠を取ることができず、身体と脳の疲れが解消しません。これによって、日中の集中力低下や作業効率の低下を招きます。

夜間のトイレの回数が増える

人間の身体は、交感神経と副交感神経が状況や状態に合わせた適切なコントロールを行っています。活動している際には交感神経が働き、休息時には副交感神経が働いており、睡眠時には副交感神経が優位になっています。ところが睡眠時に無呼吸になると脳が休息できない状態になって交感神経が優位になってしまいます。交感神経優位の状態になると尿の生成が促されているため睡眠時にもかかわらず膀胱がすぐにいっぱいになってしまいます。さらに、無呼吸になると心臓への負担を抑えるために心臓から利尿ホルモンが分泌されるため、夜間のトイレ回数が増えてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療

CPAP療法

鼻に専用のマスクを装着して空気を気道に送り込むことで閉塞を防ぐ装置を用いた治療です。安全性と治療効果の高さが世界的に確認されており、日本でも現在、睡眠時無呼吸症候群重症の方のための治療法として広く用いられています。なお、健康保険でCPAP治療を受けることができますが、その際には毎月1回の定期外来受診が必要です。 正しい管理や使用が重要になってきますので、当院ではわかりやすく、丁寧にお伝えしています。些細なことでもお気軽にご質問ください。

 

一番上に戻る
WEB予約